• テキストサイズ

雛鳥トリッパー! 【ONE PIECE】

第6章 【ご 雛鳥、白の人達と出会う】




大きな白鯨を象った、巨大な船。
その巨体を動かすのは強く風を受けて膨らむ数々の帆。
白鯨の顔は、心なしか誇らしげに見える。

一体、この船は何人乗るんだろう……
100人や200人の規模じゃないのは確かだ。

「凄い……」
「へへっ、すげーだろ! これがおれの家だ」

半ば呆然と呟くと、その声を拾い上げたエースが誇らしげに、でもどこか照れくさそうにはにかんだ。

きっとエースはこの船が大好きなんだね。
こっちの心までぽかぽかしてくるような表情に、つられて微笑を零す。

「エースさんはこの船がとっても大切なんですね。見てるこっちまで幸せになれるような……そんな顔をしてます」

ヒナの表情を見たエースは、一瞬固まる。
次には、ほんのりと頬を染めてそっぽを向いてみせた。

「……ったりめ~だろ。家族、だしよ」

数ヶ月前に別れた、お父様のことを思い出した。
ちょっぴり寂しい気持ちが湧き出てきたり。

「家族……いいですね。私もお父様に会いたくなってきちゃいました」
「オヤジか? なら……」
「おいっ、エース! いつまで時間かけてんだよい!!」

何かを言いかけたエースの言葉を遮り、個性的な……いや、独特な……?語尾の怒声が響き渡った。

次いで視界の端に映ったのは、鮮やかな蒼い焔。

「蒼い鳥……だ……」

大きく空を旋回するは、蒼い焔を纏った目つきの悪い鳥だ。
/ 27ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp