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紅く染まるまで、待って【気象系BL】

第2章 二人の関係


「暫く使ってなかったけど空気清浄機は点けてたし、問題ないと思うんだ。
ベットメイクもしておいたからね」


テレビで見るホテルの一室のような部屋を案内されて


「今日から此処がカズくんの部屋だよ」


「俺の、部屋…」


4畳半の和室に煎餅布団
折りたたみの簡易テーブルと古いラジオ
アパートじゃ自分の部屋にはそれしか無かったのに


「僕は隣りの部屋に居るから
何かあったら内線鳴らして?」




この部屋の左隣りに一つと、廊下の突き当りにもう一つドアがある
そっちが翔さんの寝室兼、仕事部屋なんだろう




「ありがとう。じゃあ…」


「ゆっくり休んでね。
おやすみ、カズくん」


「おやすみなさい」




パタンとドアが閉まると部屋をぐるりと見渡した


 

「勉強机に…本棚…」



小学校に上がる頃、欲しくて欲しくて堪らなかったモノ



「ソファーにテーブル、テレビにゲーム機…」



友達の家に行く度に羨ましさを覚えた
それと同時に、何も無い自分の家が恥ずかしくて友達を呼べずに
中学に入ってからは一人で居ることが増えた
ユニフォームを買えないから好きだった野球も諦めて

野球だけじゃない
高校進学も
恋愛も
青春も

色んな物を諦めて来た
そんな、俺が、




「高校……いいのかな、ホントに…、」




遠慮がちに捲った布団はフカフカで
横になると睡魔の誘惑にまんまと引っかかって
俺はそのまま、深い眠りの中に堕ちて行った
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