第2章 聖騎士の剣
ミードを責める村人達に、村長の一喝が入った。
村長
「儂ら酒造りの誇りを傷つけたのは誰じゃ?ミードか?違うぞ‼︎あの子の行為は、儂らの気持ちの代弁だったのではないか?」
村長の言葉に、村人達は押し黙った。
ホーク
「村長が叱ってくれたな!なんかオレ、スッキリしたぜ!」
イヴェレット
「そうだねぇ……」
「みんなーーーーっ‼︎なんとしても、この剣を引っこ抜くぞ〜〜〜‼︎」
「男共‼︎命がけで村を──酒(エール)を守るんだ〜〜〜っ!!!」
やがて村人達は、再び剣を抜こうと奮い立った。
柄を掴み、鍔を握り、縄を引っ張り、男衆は力を振り絞る。
「ヒャッヒャ〜〜!」
「俺たちゃ、貴様らの安酒呑みながら見物といくか‼︎」
蓋をされた井戸の上に腰を下ろして、騎士二人はジョッキを煽る。
ホーク
「ちゃっかりタダ酒かよ‼︎」
イヴェレット
「自分にも抜く事は出来ないだろうに、よく彼らを笑えるもんだ」
理解に苦しむよ。