• テキストサイズ

神殺し事件が起き日からーー

第5章 サンノ村


ヒューヒュー 強い風が船にいる私の髪を揺らす

「アール、若いの!」おじさんが私とアールを呼んだ。
「はい!」私はすぐさまおじさんのいるフライトデッキに入った。
「おじさんどうしたんですか?」私は質問した。
「もうすぐサンノ村だ!準備は大丈夫か?」おじさんは舵を取りながら話した。
「アールに聞いてきますね!」私はまたフライトデッキを出てアールのいる船の先端に向かった。

アールは眼を閉じて横たわっていた。
…寝てる?私はそっとアールに近づいて手を伸ばした。
今なら…アールの顔に触れる。私の指がアールの頬に触れる前にアールの影が私の腕を掴んだ。
私はビックリして体が跳ねた。
「コラコラ~人の寝込み襲うんじゃないよ~」アールは眼を閉じたまま私に話しかけてきた。
「ご、ごめんなさい!つ、つい、アールの顔に触ってみたかったので…」私はアールの表情を伺っていた。
「……ふぅ~ん…ま、触ってもいいよ?」アールは眼を開いて身体を起こすと影で掴んでいた私の腕をグイッっと引いて自分の頬に私の手のひらを当ててくれた。
「どう?人間と違いとかある?」アールの右眼が真っ直ぐ私を見ている。
「人間と同じです。ただ、冷たいです。」私はそう答えた。
「それだけかい?」アールは少し驚いていた。
「そ、それだけですが…どうしてです?!」私は意外な反応に少し焦った。
…どう答えれば良かったんでしょう…私は言葉を探していた。
「…ま、そう深く考えんな、ボクが悪かったw」アールはヘラヘラと私に謝ってきた。

「あんたら!見えてきたぞ~サンノ村が!」おじさんの声が聞こえて私とアールは立ち上がった。
「サンノ村……わぁ!すごい雪山!」私は雪を見るのは初めてだ。
「サンノ村はサント山の周りに作られた村だ。このサンノ村は季節関係なく雪が降っている」アールは私に言ってきた。
「うぅ!寒い!」私は身体を震わせながら寒がっていた。
「あ~…おっちゃん!防寒着あるか~?」アールはフライトデッキの中に入って行った。
…アールは寒くないのだろうか?
影で作られた黒いレザースーツ姿で平然としている。

「ほら、ヒヨッコこれ着ろ!」アールが私に赤茶色のコートを渡してきた。
「ありがとうございます」私はすぐにコートを身につけた。
「俺様はここでおさらばさせてもらうが…あんたら大丈夫か?」おじさんが心配そうに聞いてきた。
/ 37ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp