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*年上彼氏は変態紳士*【R18】

第2章 ***





──ピンポーン…

私は震えそうになる手でインターフォンを鳴らした。
今更だけど、連絡も無しに訪ねて怒られたりしないだろうか…
そんな不安にも駆られる。

それから数十秒も経たないうちに目の前のドアが開き、中から蛍くんが顔を出した。
当然彼はひどく驚いた様子で…


「陽菜ちゃんっ…こんな時間にどうしたの?」

「あっ…えっと……今日友達と遊んでて……近くまで来たから、蛍くんの顔見たいなぁって思って…」

そう口から出任せを言う。
けれど彼はそんな私を疑う様子もなく、あっさり部屋の中へ上げてくれた。



「連絡も無しにいきなりごめんなさい…」

「いや、それは別に構わないけど……今度からは連絡貰えると嬉しいな。せっかく来てくれても僕が家を空けてたら申し訳ないし」

「……、」

そう言いながらお茶を淹れてくれる彼。
やっぱり蛍くんは優しい…いつだって私の事を優先に考えてくれているのだから…

それなのに。

(とりあえず誰かがいた形跡は無し…と)

こそこそと浮気調査をしている事に罪悪感を覚える。
彼は1人でDVDを観ていたらしく、テレビ画面には洋画が映し出されていた。

(ここに来るのも久しぶりだな…)

最後に訪れてからもう1ヶ月は経っているだろうか…相変わらず部屋の中は綺麗に整頓されている。

1ヶ月…私たちはもうそれだけの期間触れ合っていないのだ。
改めてそう思うと、また気分が沈んできてしまった。


「…陽菜ちゃん?」

そんな私に気付いたのか、蛍くんが顔を覗き込んでくる。
いっその事、思い切って聞いてしまおうか…
どうしてキスもHもしてくれなくなったのか…


「…あ、あのね……変な事聞いてもいい…?」

「…?何?」

「蛍くんて……まだ私の事好き…?」

「………」

ついストレートにそう聞いてしまった。
彼の顔を見る勇気は無かったが、戸惑っている様子がこちらにも伝わってくる。


「ど、どうしたの急に…」

「正直に答えて…?もし私に興味が無くなったなら…」

「そんな訳ないだろう?」

いつも穏やかな彼が少し強めの語調で私の言葉を遮ってきた。
そしてぎゅっと手を握ってくる。


「……、蛍くん…?」

「ごめん…陽菜ちゃんを不安にさせたの…僕のせいだよね」



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