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【HQ】脳内妄想‐シンデレラ・単発‐【R18】

第4章 責任感(田中龍之介/単発)


田中とは、地元のバレーボールクラブで子どもの頃に出会った。
その頃は男女混合でやっていたし、同じポジションを奪い合うライバルだった。

小、中学校が違かったから、男女のチームが別れてしまう頃から会わなくなって。
高校でまさかの再会を果たした。

私は身長が伸びなかったから、選手を辞めていて。
懐かしい気持ちもあって、田中の所属する男バレのマネージャーをやっている。

試合なんかを見ていると、たまにやりたくもなるけど、男子に混ざるなんて出来ないから、諦める為にも丁度良かった。

マネージャーの仕事も慣れてくると楽しいし、やっぱりバレーに関わっている時間が好きだし。
それなりに充実した日々を送っている。

だけど、田中は納得していないみたいだ。
自主練とか、ボール出し以外で付き合わせようとしてくる。
自分だってスパイカーのクセにレシーブ練するからって、わざわざ私に打たせるんだ。

実は今も、その状態な訳で。

ノヤがトス練がてら上げてくれる、ちょっと打ちにくいボールを反対コート目掛けて…。

打て、なかった。

「オイオイ、りこ。練習不足なんじゃねーの?」
「私、選手じゃないもん。」
「言い訳すんな!オラ、もういっぽーっんっ!」

ネットを挟んだ反対側から聞こえるブーイング。
言い返しても会話としては続かず、合図をされてまたボールが飛んでくる。

仕方無く助走をしてジャンプし、今度は打ち下ろす事が出来た。

まぁ、コースの打ち分けをしていないから、田中とは反対の方向にいったけど。
レシーブ練なら、拾いにくい球があってナンボでしょ。

勿論、それは拾われず。
田中がまた怒るかと思ったのに、何故か機嫌が良くなってしまい。

それから、何本もスパイクを打ち続ける事になった。
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