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*覗き穴*【R18】

第2章 ***





それに比べて"俺の"麻衣ちゃんときたら…

(…マジ天使だよなぁ)

カノジョの麻衣ちゃんとはバイト先で知り合い、2ヶ月程前から付き合うようになった。
明るくて優しくて可愛い自慢のカノジョ。
今はまだキス止まりの関係だけれど、そろそろセックスだってしたいと思っている。
けれど俺の部屋には呼べないし、彼女はまだ実家暮らし…ヤるとすればそういうホテルに行くしかないだろう。

(麻衣ちゃんとの為だ…もっとバイト増やすか)





「…つーかお前、案外鈍いヤツだな」

翌日。
昨日麻衣ちゃんとデートした事を大学の友人に話すと、呆れたようにそう返された。


「俺のどこが鈍いんだよ」

「麻衣ちゃんがお前んちに行きたいっつったんだろ?それってもう"そういう事"じゃね?」

「………」

"そういう事"とは勿論、俺ともっと深い関係になりたいという事だろう。
友人にそう指摘され、改めて気付かされる。


「えっ…マジで?」

「そりゃそうだろ。せっかくのチャンスを棒に振ったな」

「ぐっ…」

俺はなんてバカなヤツなんだ…
あんなボロアパートに住んでる事を知られたくないが為に、彼女からのサインを見逃してしまうなんて…!


「やっぱ俺引っ越そうかなぁ…。隣に住んでる女もなんか気味悪いし」

「へぇ…どんな女?」

「挨拶してもろくに返事しねーし、陰気臭くてさぁ…漫画みたいな分厚いレンズの眼鏡掛けてんだぜ?ちゃんと顔は見た事ないけど、どうせすっげーブスだろ」

「ははっ、そこまで言われると逆に見たくなるじゃん」

本当にアイツは謎だ。
年齢不祥だし、学生なのか社会人なのかも分からない……まぁ興味なんてこれっぽっちも無ぇけど。



それからその日は講義が終わった後夜遅くまでバイトをし、いつものようにクタクタになって帰路に着いた。
シャワーを浴び、遅めの夕食を摂る。
と、その時…


『ぁっ…ん、』

「……?」

ふと聞こえてきた女のか細い声。
気のせいかとも思ったが、何度も同じような声が立て続けに聞こえてくる。

(つーかこの声って…)

俺の部屋は角部屋。
つまり隣人はあの女、城山しかいない訳で。


『ぁっ、ぁん…っ…』

「……、」

思わず唾を飲んでしまった。
この声は恐らく、自慰をしている声だろう…



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