第7章 寒い夜
すっかり魂が抜けかけた私の元に、
きっと3日ぶりにクロウさんが現れ、縄を外し始めた。
クロウ
「……」
魅菜
「……」
私とクロウさんに会話はない。
久しぶり自由になった私の手足は、
まず最初に床についた。
クロウ
「風呂で身体を清めてからお見合いに行こう」
魅菜
「………」
私はクロウさんに手首を掴まれ一瞬で黒さんの家の風呂場に移動した。
魅菜
「………」
移動した風呂場にはクロウさんはおらず、
湯が沸いている湯船の前に1人で立っている。
(これには入らない…)
完全に妖怪を嫌いになった私は、
湯船の近くにあった水道から水を出し、
身体の汚れを洗い流した。
魅菜
「ッ……」