第23章 いつぞやの会話-贈答編-

「エルヴィン！ちょっと聞きたい事が！」

「ハンジか、どうした？」

「ナナバにさ、スカートプレゼントしたでしょ！」

「あぁ」

「どうしていきなり？やっぱり『脱がせたい』とかいうやつ？！」

「違う」

「じゃ、捲りたいってやつ？」

「違う…」

「あ、あれだ、想像したいんだ？今スカートの下では…的な」

「違う…何故そっちに持っていきたがるか…」

「いや～ナナバに相談されてさ。どんな時に穿いたらいいのかなって」

「む…どうしてハンジに……」

「恥ずかしいからじゃない？ずーっともじもじしてたもん。可愛かったな～」

「そうか(見たかった…)」

「それからね、とっても嬉しそうだった。エルヴィンが選んでくれたって」

「！」

「愛されてるね～！このこの！」

「っ、で、君は何と答えたんだ？」

「好きな時に穿いたらいいよって。デートは勿論だけど、普段使いもいいんじゃない？エルヴィン喜んでくれると思う、って」

「ふむ。普段の君からすると、至極まともな答えだな」

「ちょっと！失礼だな～もう。でも、何で突然？あの子驚いてたよ？初めての上にいっぺんに何着もで」

「……いつだったか、ナンパされた。だからプレゼントした」

「へ？ナンパされてスカートのプレゼント？それって逆効果じゃ…」

「……ナンパ、されたんだ、女性に」

「！？」

「男だと、思われたんだろうな…ナナバと私に向かって『男女2：2でWデートしませんか』と声を掛けてきた」

「お、おぉ……」

「丁重にお断りしたが、何故か連絡先を渡された。ナナバだけが」

「……」

「……」

「大人気…」

「あぁ、大人気だ。女性に…」

「その、兵団内だけじゃない、んだね」

「あぁ、外でもこの有様だ。何か贈り物をしたいと常日頃思っていたから、丁度いいと思ってな。多少はそういった誘いが減るのも期待した」

「成程ね」

「勿論、スカートを穿けと強制するつもり等ないし、そもそも男だろうと女だろうと彼女が靡くなどあり得ない」

(それは私も思う。だって大好きだもんね、エルヴィンの事)

「それでも…私だけのナナバだとそう知らしめたい」

「安心していいよ、絶対似合うから。そうだ、週末早速デートしてきなよ！天気いいみたいだし」

「あぁ、そうするよ。楽しみだ」

fin