第14章 いつぞやの会話-観察編-
「あぁ、今日は……」カリカリカリ
(ふぁあ…まだ眠ぃ…)
「ふむ、成る程……」カリカリカリ
(団長…?ってすげぇ勢いでメモとってるな)
「エルヴィン、順調か」
「ミケ。ゲルガーも一緒か。おはよう」
「あぁ」
「はい、おはようございます」
「すまない、今手が離せなくて…む!あれは!」カリカリカリ
(団長の視線の先は…やっぱアイツだよな)
「そうか、一週間前と比べると……」カリカリカリ
(すげぇ…びっしり書き込んでる)
「やはり、か……」カリカリカリ
「相変わらず、熱心だな」
「いや、そうでもないさ…と、よし。今朝はここまでにしよう」
「終わったか」
「あぁ。実に充実した時間だった」
「そうか…」
(団長はやっぱすげぇよ。何書いてるかわかんねぇけど)
「ふ、ふふふ…」
「エルヴィン、緩んでいるぞ」
「すまない」
(何かこう、地雷臭がするんだよな。でも…)
「いかんな、ナナバの事となると、つい」
(気になるんだよなぁ…何でだろな~…)
「気になるなら、遠慮なく聞けばいい」←小声
「ふへっ?!」
「それが調査兵団だろう?」←小声
「え、あ、んじゃ…団長、熱心に何を書き留めてたんすか?」
「よくぞ聞いてくれた!!!」
(うぉ!?テンション高!)
「これだ!ここ二週間程で書き溜めた、汗と涙と愛の結晶!」
「あ、い…?」
「主に彼女の服装の記録だ!!」←ドヤ顔
(ちょ、それストーカー!!)
「今日は一週間前と同じシャツだが、後れ毛が若干跳ねている。あぁ…何て可愛いらしい…」
「俺には、同じに見えます…」
「……同じ?」
「しくじったな」←小声
「えぇ!?今ので!?」←小声
「ゲルガー…君はまだまだ、だな」
「へ?」
「…特別だからな」
「ミケ、君はよくわかっている。流石直属の上司だ」
「部下には目を配らんとな」
「その通りだ。やはり安心して任せられるよ」
「そうか…」
「あ、あの、俺」
「ゲルガー」
「っ、はい!」
「今夜、時間はとれるかな?」
「え、はい…大丈夫ですが…」
「また修羅場を潜るか…」←小声
「は…あぁ!やっちまったぁあ!!!」
「君のその様子だと、今回も有意義な時間が過ごせそうだな。よろしく頼むよ?」
(団長ぉおお!違いますぅうう!!!)
fin