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【MHA】爆豪勝己誕生祭2018【企画】

第3章 【き】きっと終わってしまう恋だから


 そして迎えた誕生日当日。デートじゃないと分かってるものの、張り切って、普段なら着ないようなワンピースに身を包み、勝己の到着を待った。勝己を待つ間、気持ちが落ち着かず、携帯を頻繁にチェックしたり、鏡を見たり。張り切り過ぎとか思われたりしないかな?おかしくないかな?そわそわした気持ちで勝己の到着を待っていると、ガシャンと激しい物音がし、反射的にその方向へ目をやると、道端で倒れるお婆さんと、バイクに跨る男。その男の手にはお婆さんの物と思われる鞄。────ひったくりだ。幸か不幸か、そのバイクは私のいる方へと向かって来た。


「そこのバイク、止まりなさい!」


 個性不使用の犯罪者の取り締まりは警察の管轄。


「どけ!女!」


 私が目の前にいるのなんてお構い無しにスピードを緩める事無く突っ込んで来るバイク。非番の為、拳銃は所持していない。となると、取れる行動は一つ。
 手に持っていた自分の鞄を男目掛け、勢い良く投げ付けると見事男の顔に命中。そのまま勢いよく転倒した男の元へ素早く駆け寄り、右腕をひねり上げ、男の体を抑えた。


「17時48分。窃盗罪の現行犯で逮捕します。」
「…クソがっ!」


 抑えていた男の体が徐々に熱を帯びていった。男の右手を抑えた手が燃えるように熱い。


「誰か…!ヒーローに応援を…!」


 周りにいる人達にヒーローへと連絡を促す為に声を上げた。炎のように熱くなる男の体を取り押さえ続ける事が出来ず、拘束していた手が離れた。まずい…!逃げられる!
 逃げ出そうとする男に向かって何かが飛び出してきた。


「なまえ…テメェ、何やってんだよ!」
「勝己…!」


 私が取り逃した男を取り押さえたのは、勝己だった。


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