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【短編集】慟哭のファンタジア【HQ】【裏】

第37章 主よ甘き日々を終わりまで8(烏養繋心)


嗚呼、可哀想に、そこまで不安にさせてたのか。
毎日抱いても足りないくらいだというのに。
少し照れるが本音をたまには言うか。
泣いている顔にキスしながらいつもより優しく声をかける。
「俺にはお前だけだ」
はどんな反応をするだろうか、これで安心してくれるだろうか。
先端を少し侵入させ、滑りを確認する。
はなぜかキョトンとした表情のまま固まっている。
我慢できずに最深部まで一突きで進めると、圧迫感に耐えきれなかった声が部屋に響く。
「ああああっ!!」
いつも以上に愛しく思えるせいか、気を抜いたらすぐに持っていかれそうだ。
下腹部に力を入れ、トントンと弱いところを刺激する。
気持ちよさそうにナカが蠢き、腰を捩られる。
「あっ、ま、まって、わたし…!」
逃げられないようキツく羽交い締めにし、もっとイイところに当たるように動く。
「っ、、好きだ」
今日はとことん本音で話そうと、普段言えないことを言った。
きっと嬉しそうに笑って、自分もだと言ってくれる。

と思っていた。
予想外なことに、はさっきより更にキョトンとした顔をしている。
「……どういう、意味ですか…?」
「……そのままの、意味だが」
また石のように固まり、彼女は瞬きをして長いまつ毛を揺らす。
(あれ…?これ、付き合ってなかったか…?)
途端に大量の汗が出そうになる。
もしかして、彼女にとっては本当にセフレくらいの関係で…?
それなら彼女から触れてこなかったり、いつもどこか距離があることに辻褄が合ってしまう。
「ほんとうに…?」
先ほどよりうっとり聞かれる。
「私から触るの…嫌じゃないです、か…?」
「……嫌じゃねえ」
答え合わせをするように、慎重に返す。  
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