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【短編集】慟哭のファンタジア【HQ】【裏】

第21章 蜂蜜レモネード5(影山vs及川)


「あの1年生……」
「トビオちゃん?」
「凄いなぁって……」
「……」

影山を見るは、今までの彼女じゃなかった。
今までの蔑むような、あの冷たい目線ではない。
うっとり。
そんな言葉が当てはまるような。

そんなのは、許さない。
だって、は俺のモノで、俺から逃げられないようにいろんな事をさせて、無理やり繋ぎ止めてる関係なんだから。

「トビオちゃんにも教えてあげなよ。
のこと」
「…それは、仕事?」
「そう」
「………」

珍しく一瞬躊躇する顔をした。
モヤモヤしたものがどんどんと隠せなくなる。
作戦通りに事は進んでいたはず。
なのに、は、アレを切っ掛けに、俺を拒むようになった。
「徹さん…、やっぱり……」
「何?逃げるの?
それじゃあ皆にの話していいの?」
「…っ!」
「自分の家がおかしかったの、やっぱ知ってたんだ?
じゃあ……あの人達はが…」
「!!!」
「図星か」
勿論それは彼女の思い込みで、実際に違うなんて事はすぐにわかる。
けれど、彼女の奥底のトラウマは、すぐに読めた。
こんな形でしか、繋ぎ止められない自分が憎い。
ずっと、ずっと、俺の方が好きなのに、彼女は既に俺のことなんて、見えてすらいない。
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