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【短編集】慟哭のファンタジア【HQ】【裏】

第21章 蜂蜜レモネード5(影山vs及川)


「君は俺から逃げない、そういう契約でしょ?」
「…はい」
彼女の秘密を握っている。
それは、絶対に隠したい過去にある。

親戚が事故に遭い、うちの親はを引き取った。
その親類も、いい評判なんて聞かなかったし、遠かったからあまり気にしたこともなかった。
ただ、引き取った女の子は、今まで見たこともないくらい可愛くて、妖艶だった。

初めてが変だと思ったのはすぐで、そわそわしながら部屋に来たのを今でも覚えている。
「ここ…、お客さん来ないんですか…?」
「は?」
「……えっと、男のヒト。
日によって違うけど、偉そうなおじさんとか、テレビに出てる先生とか……」
一般家庭からするとまるで縁のないくらい成金な家に彼女は住んでいた。
そういうことか、とすぐにぴんときた。
「ああ、普通は来ないよ」
「やっぱり……」
彼女は小声で、どことなく感じていた違和感に納得をしたようだった。
「ねえ、そのお客さんに、どんなことしてたの?
教えてよ」
そう甘く囁けば、はなんの躊躇もなく、
「はい」
と返事した。

いつからこんなことしてたんだろう。
なんて、ふと思った。
部屋に誘い、鍵をかける。
静寂した密閉空間に、中学生にはあまりにも似合わない雰囲気が漂う。
もう既に何人かの女の子と遊んではいた。
肩書きだけの彼女もいたけど、全員と縁を切る決意を固めた。
全ての理想が、だったから。
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