• テキストサイズ

kagero【気象系BL】

第2章 朧雲


暫くして、バタバタとマネージャーがやって来て。

一緒に来た見知らぬおじさんに、シャツを開けられ、あちこち聴診器を当てられた。

「う~ん…所見ではどこにも悪いところは見当たらないですが…」

おじさんは、そう言って頻りに首を捻りながらも、なにかよくわからない錠剤を置いて帰っていった。

「…疲れかもしれないですね。ここのところ、スケジュール詰まってましたし…」

マネは困ったなぁ…なんて呟きながら、あちこちに電話を掛けている。

今日も明日も仕事入ってたから、スケジュール調整をしているんだろう。

「大丈夫?雅紀…ごめんな?具合悪いのに、怒鳴ったりして…」

ニノは申し訳なさそうに、しょんぼりと項垂れた。

「ううん…俺の方、こそ…ごめ…」


ごめんな…
ニノ…ごめん…


「なんで、おまえが謝るんだよ。ほら、着替えて寝てろよ。傍に付いててやるから」
「…ん…」

背中を支えられながらなんとか体を起こす。

着ていたシャツを脱ごうとしたが、覚束無い手元ではなかなか出来なくて。

ニノが、手を貸してくれた。

「…ありがと…」

お礼を言いながら振り向くと。



ニノは、まるで幽霊でも見たような、恐怖に引き攣った顔をしていた。



「え…なに…?どうかした…?」

なんでそんな顔をしてるのかわかんなくて、思わず訊ねる。

だけど、彼の視線は俺の背中から微動だにしない。

背中…
なんかあるのかな…?

「…ニノ…?」

不安になって手を伸ばすと、指先が触れた瞬間、ビクリと震えて。

近くにあった着替え用のTシャツを、性急な動作で頭から被せてきた。

「ほら!さっさと、寝ろ!」

吐き捨てるように言って、無理やり俺をベッドに寝かせ、布団を掛けて視線を逸らす。

「ニノ…?」



その後、何度呼びかけても。

ニノは俺と視線を合わせようとはしなかった。


/ 351ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp