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kagero【気象系BL】

第12章 彩雲




「もう俺、渋谷のスクランブル交差点のど真ん中で叫んでもいいよ…

櫻井翔は、大野智と、
付き合ってまぁ〜す!!って」

すると、胸の中に収まってた智くんは、
モゾモゾと顔をあげて、

「俺だって!
スカイツリーのてっぺんから、下を歩いてる人に向かって、
翔くんは、俺のもんだー!って、宣言するよ〜♪」

って…
ドヤ顔で言った。

あのさ、
スカイツリーの上から叫んでも、
下の人には聞こえないと思うけどね…

ま。
そんなことは言う気ないよ♪

こんなに可愛い智くんが、目の前10cmにいるんだもんね…、

堪能させてもらわない手はないでしょ♪


急に来た甘い空気に、視線を絡み合わせてから、ゆっくりと顔を近づけると、
智くんは綺麗な長い睫毛を下ろした

魅惑的な唇まで、後2.5cm……


そこで止まって、キス待ち顔を観察した


綺麗な鼻筋に、
ここまで来ると確認できる、額の産毛…

あ〜あ、肌かさついてんな〜
後で保湿クリーム塗り捲ろうか

……ふふ、唇ちょっと尖らせちゃってさ。

これで40近いおじさんかね?


パチッ//←目を開けた音

あ……

「ちょっと!翔くん、何で来ないの〜?」
「はぁ〜…?来ないって…」
「キッス!!待ってるの、バカみたいじゃんか、俺!」


……キッス……

…キッス、ってさぁ

小さい『ッ』挟んでくるか、そこで……


「ぶぶぶっ……」
「え?」

「ははっ、はははははははは///」

智くんを抱きしめたまま、爆笑する俺に、智くんはついに膨れて腕を振りほどいた

「もおおおお!!なに!?翔くん、嫌い!」

フグにみたいに頬を膨らませ、離れようとする腕を捕まえて引き寄せた

「はははっ、あ〜、面白れ〜//」

涙を拭いながら、抵抗もせずに収まっている智くんを見ると、唇を尖らせたまま、俺を睨んでいた

「ごめんごめん〜…
さっき、嫌いって言ってたよね?
俺は大好きだから♥️」

さらりとそう言ってやったら、智くんの眉が一気に下がった

……分かりやす過ぎっ♪


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