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【短編集】【HQ】純情セレナーデ

第7章 本日は晴天なり(日向翔陽)


「あれ?今日雨降るの?」
朝、天気予報が晴れだったのを私は確認してから外に出た。
「うん!多分だけど!」
日向くんが傘を持って来たことが少しだけ気になったのだけれど、なんとも曖昧な返事される。
「なんでわかるの?」
「え?雨のにおいがしない?」
雨のにおい……。
うーん、と少し考える。
至っていつもの青空で、遠くに雲すら見えない空。
からっとしている空気からもまるでわからなかった。
「なんか、緑のにおい?苔のにおい?」
「こけ……」
苔って、何かを発する植物だったのかと疑問に思う。
(あれ?植物?菌類?)
よくわからなくなったところで、一旦その話はやめようと話題を変えた。
「皆傘持ってきてないね?」
「んー?まあ、直感だからね!
当たらないときもあるよ!」
本人そのものはまるで快晴で、名前がよく似合っていると思った。
眩しいくらいのオレンジ頭は、鼻唄を唄いながら廊下に姿を消した。
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