第7章 『春日狂想』
「急ぐよ、中也」
「手前に指図されなくともそうする!」
目的地へと到着した中也と太宰。
正面から乗り込むと警備隊が攻撃を仕掛けてくる。
「手前ら全員ぶっ殺す...!」
「そいつ等に時間を取られている暇はない!早く泰子のところへ行くよ」
太宰の言葉に中也は舌打ちをするが、直ぐに捜索を始めた。
だだっ広い研修所を虱潰しに捜索していく二人だったが、やがて微かに叫び声が聞こえた。
「此方か...っ!」
声のした方角へ中也は走り出す。
太宰も中也に続き、声のする方へ急いだ。
道中、何度も攻撃を受けるが、能力を持たない者からの攻撃等中也と太宰には通じない。
かつての双黒は昔の様に息の合った連携で、攻撃して来た者の命を奪っていく。
「中也、君相変わらず攻撃がワンパターンだね」
「あ゛ぁ?手前死にてェのか」
「真逆。君に殺されるくらいなら泰子に殺されたいよ」
「じゃあ彼奴に会ったらそう頼むんだな...っ!」
そう言いながら中也は太宰の背後から襲ってくる警備員を殴打する。
たった二人に次々と殺害されていく仲間を見て、次第に警備員達は逃げ出していった。
警報が鳴り響く中、泰子の声が聞こえた方へ走っていくとこれ迄の中で最も頑丈そうな扉に辿り着いた。
中からは断続的に叫び声が聞こえている。