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華の剣士 2 四獣篇

第3章 逃亡


「城の前ならまだしも、ここまで来たのなら逆に一人でいる方が危ない。それにここで体力を回復させるなんてどうやるって言うんだ!その傷では不可能だろう…!」


よほど怒っているのか、王族の口調ではなかった。懐かしいリョンのときのままだ。


「しかし、このまま私がついていきますと足手まといになってしまいます。」


「ならば私が背負う。」


その言葉に周りの者たちは仰天した。王が部下を背負うなど前代未聞である。


「しかし…」


「これ以上言うな!あんたは俺の護衛者だろう…!!ならばこれからも私を守らなければならない。他に適任者はいない。あんただけなんだ!だから今は窮地のあんたに力になる。だから、後でそのぶんを返してくれたら俺はそれでいい!」


かなり無茶なことを言っているのは、リョンヘも周りの者もわかっていた。


「私のもとにいる者たちは数少ない…。しかし、こうしてそばにいてくれる者たちはできる限り失いたくない。私は今回の事でみなの地位や名誉、すむ場所、家族…様々なものを奪ってしまった。いつか必ず皆をもとの場所へ戻したい…。」


リョンヘはぐっと眉を寄せた


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