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御伽アンダンテ【HQ】【裏】

第10章 契り深く


「それは、ダメだ」
「え…?」
「顔を合わせて話すのは、俺だけにしろ」
言葉数少ない分、こういう時の一言二言が、重い。
ずしん、と音を立てて私の心臓に降ってくる。
圧迫されたかのように、私はどきどきとして、顔が熱くなっていく。
「…っ!き、気を付ける…!」
「今、反らした」
「……だっ、だって……!!」
顎を指で持ち上げられ、強制的に視線を合わせられる。
その真剣な目つきにくらくらする。
緊張するし、恥ずかしいし、もしかしたら今すごくブスかもしれない。
混乱してきて、目をぎゅっと瞑る。
「ご、ごめんね……!!もう無理っ!」
膝に抱えてた鞄を顔の前に持ってきて、無理やり手と視線を遮断した。
「」
「だって、すごく、可愛くない顔してたかもしれないから…!!」
「可愛い」
「い、言わせてるみたい……」
ふう、と呼吸を整え、お茶を少しだけ飲む。
何が嫌なのか、と牛島くんは首を傾げながら元のどっしりとした座りかたに戻った。
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