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その先立ち入り禁止!【R18】

第5章 どうにでもなれ


郁翔side

耳を劈くような銃声が響き渡る。
その瞬間、俺は死んだと思った。

だが、目を開けると、視界ははっきりとしていた。
ただ、蓮様が血を流して倒れていた。
ピクリとも動かない。
俺を庇ったのか?

「蓮・・・様・・・」

「っ・・・いく・・・と・・・早く・・・逃げろ・・・」

そんな・・・何で俺なんか・・・
身分が全く違うのに・・・そんなに命懸けで俺を守るなんて・・・

「あーあ。愛してた坊っちゃんが死んじゃうな。まぁ、安心しろ。お前までは殺さない・・・戻ってきてくれればな・・・っうぐ!」

「・・・だから何度も言いましたよね。嫌ですって。」

俺の体は意志のまま動いて、腹部に蹴りを入れた。

「てめぇ・・・何しやがる・・・」

落ちた銃を拾い上げ頭に突き付ける。

「俺はどんな目に合っても構いません。でもこれ以上蓮様に関わらないでください。借金の返済も全て終わってるなら俺はもう用済みですよね。」

「・・・何が言いたい。」

「今すぐにここから消えろ。俺の前に現れるな。」

「その銃で脅してるつもりか?」

俺を下から睨む。
だが、何処か怯えている。

「人は殺したくない。けど、愛する人を傷つけられた今なら俺は殺すことが出来る。とっとと消えろ。」

「くっ・・・」

男はビビって逃げていった。
人間誰でも自分の命は惜しいもんだ。
結局は自分が可愛い。

なのにこの人は・・・こんな俺のために庇って・・・

どれだけ俺の事が好きなんだ・・・
それともただの馬鹿なのか。

けど、俺も人のことは言えないかもしれない。
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