第1章 道端での鳴き声は…。
中学1年の夏休み。
今日は登校日。
『あぁ〜!夏休みに登校しなきゃいけないの、なんかやだなぁ。』
学秀『ま、気持ちは分からなくはないが、何をするにも意味がある。』
みゃぁぁ…みゃぁぁ……
『学秀、今、何か聞こえなかった?』
学秀『確かに。猫でもいるのか…?』
私と学秀が電信柱の隅に置かれた小さな箱に駆け寄る。
猫『…みゃぁぁ。』
『学秀、この子、衰弱してる…。痩せてるし、鳴き声も弱い…。このままじゃこの子、死んじゃう!』
薄汚い仔猫をかまわずに抱き締め僕に訴えるまぁに僕はやれやれと思いつつも、小さな命を必死に守ろうとするまぁの姿に胸が熱くなる。
学秀『少し待っていろ…。』
学秀がどこかへ駆けて行く。私は仔猫を抱きかかえ、
『大丈夫だよ。』
と言い、そっと頭を撫でる。
カルマ『あれ?まぁじゃん。こんな所で何してるの?』
『カルマ。実は、今ここで仔猫を見つけて…。弱ってるの…。もう何日もご飯食べてないのかも…。』
カルマがまぁの腕に抱かれた仔猫を見る。
カルマ『確かに…。だいぶ弱ってるみたいだね。
で、浅野君は?』
『学秀は…』
学秀『まぁ、待たせたな!…赤羽、お前もいたのか。』