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【イケメン戦国】蒼い瞳の向こう側

第8章 笑えない。




「説教なら聞きたくないよ。わかってるから、
 私が八つ当たりしただけだし。」


本当に最悪だ。
正座して膝においた手を見つめながら言う。
家康を見れない。


わかってるんだよ?
わかってるつもりだけど、
このままいくと自分がどんどん嫌いになる。
もやもやどす黒いものが自分の全部を覆いそうで。。。
どうしたらいいかわからない。



むにっ。

「ふへぇっ?」

いきなりほっぺをつねられた。

「ふひゃひすんのひょー(なにすんのよー)」

涙目でうったえると翡翠色の瞳が
まっくず私をとらえる。

「……なにがあったの。」

「ふぇっ」

すっとほっぺに触れていた手が離される。

じんじんするほっぺをさすっていると
家康が続ける。

「最近ちょっと笑えてたのに、またその首飾り触って、
 作り笑いしてる。」

「!!!」

「話したくなったら聞くとかいったけど、
 ひなにそんな顔してほしくない。」

「なっ。。。家康どうしたの急に。」

「あんたがそんな顔してると俺がつらい。」

「え。。。」

「八つ当たりしたくなったら、俺にして。」

「なにいって。、。」

「さっきはるに八つ当たりして、
 でもあんたが一番つらい顔してた。」

「聞いてたじゃなくて、見てたの?!」

「見たくて見たわけじゃない。でも気にしてた。
 昨日はるをつれていって、帰ってきた後から
 様子おかしかったから。なんかあったのかなと思って。」

「………」

「あんたにはいつも笑っててほしい。」

「な……かいかぶりすぎだよ。
 家康が思ってるほどできた人間じゃないし、
 笑ってても裏でなに思ってるかわかんないよ?」

「………」

「人の幸せを妬んだり、
 自分が優位なことがあったらほくそえんだり。
 最低な人なの。」

「………」

「だから家康がきにするほどの人間じゃ……ないよ。」

「……最低な人間は、そんなこと思ってても
 いまのひなみたいな顔はしない。」

「なにそれ………」

「そうやって言って、自分を傷つけたりしない。」

「ーーっ!!」

ふいに家康の胸が目の前にあった。
家康の腕の中にいる私に向かって家康がいう。

「もっと自分を大事にして。」


そういって頭を撫でてくれた。





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