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【YOI・男主×ユーリ】扉の向こうとこちらのエロス

第3章 Tokyo's Midnight


バスルームの扉を閉めた礼之は、腰に巻いたバスタオルを備え付けのドレッサーに投げ出した。
その先には小型のシャワーブースとトイレがあり、これから礼之がひと通りの処理を済ませるには、充分な設備が整っている。
流石は高級ホテルのスィートだと思う反面、
「土壇場になって拒絶されるのは、やっぱキツイなあ…」
個室の中で多少気が緩んだのか、礼之は率直な本音を漏らした。
ここに至るまでの自分の葛藤や覚悟を、全て台無しにされてしまったような被害者意識を抱える一方で、それでも男同士の、特に受け入れる側に相当な負担を強いるソレに、ユーリが恐怖を覚えるのは仕方ないと割り切ろうともしていた。
礼之の怒張を直視するまでは、ユーリも比較的素直に快楽を追っていたし、礼之そのものを拒絶していた訳ではないと信じたい。
しかし、
「我ながら、こんな状況でも『元気』だな…そりゃそうだ。これまでずっと想像の中だけだった人が目の前にいたのに、お預け食らっちゃたまんないよね」
妙に冷えてしまった頭とは裏腹に、未だ正直な欲求を主張している自分の下腹部に視線を移すと、礼之は苦笑する。
ドレッサーの椅子に腰掛けながらそれを右手で握り込むと、脳裏に先程までの愛しい人の痴態を思い描こうと努めつつ、擦り始めた。

衣服を身に着けたユーリは、ベッドに腰かけた状態で落ち込んでいた。
「礼之、悪ぃ…」
自分の為にバスルームに籠った礼之に、ユーリは意気消沈した声で謝罪の言葉を呟く。
本来なら怒るか呆れるか、あるいは嫌がる自分を無視して強引に抱く事もできただろうに、礼之はそれをしなかった。
大事にされているのだと考える裏で、先程ベッドの上で醜態を晒した自分に嫌気が差したのではないだろうか、と一抹の不安もよぎる。
「だって、あそこまでデカくなるだなんて、フツー思わねえだろ?ハーフとはいえ、アジア人の膨張率ってマジでどうなってんだよ…」
ユーリとて、礼之とオフを過ごす約束をした時点で、ある程度の覚悟はしていたのだ。
それ以前から、男同士のそれについても密かに調べていたし、今夜も未熟ながら相応の準備もしたつもりだった。
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