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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第21章 ココロ、重ねて


別にガッツリ脱いだ訳じゃなくて、カット割りでそう見える様な撮影ではあったけど、キメ細かな肌に千さんが触れる度にドキドキするって言うか。

って、なに言ってんだオレ。

オレだって良く考えればCM撮影で下着姿の愛聖と共演してるってのに。

それも口移しでワインに見立てた飲み物を、とか・・・

少し前の事を思い出し、その時の情景に思わず赤面する。

『龍、なんか顔真っ赤だけど暑い?』

「え?!あ、いや?!暑い訳じゃなくて」

言えるかよ!

まさかCM撮影の時の愛聖を思い出してたとか!

「ちょっと、まぁ暑い、と言えば暑い・・・ような?」

緊張し過ぎて体温どうかしてるのかな?なんて笑いながら、衣装の襟元を摘んで扇ぐ。

『なんか怪しい・・・』

軽くメイク直しをされている愛聖がジトッとした目で見るから慌てるも、大丈夫だからと返し演技に集中しないと監督に怒られる前にマネージャーからの鉄拳が飛びそうだねと言ってまた笑い、離れた所から見ているマネージャーをチラリと見て肩を竦めて見せた。

『まぁ龍の事だから変なことは考えてないだろうけどさ?・・・楽じゃあるまいし』

「アハハ・・・そうだね・・・」

乾いた笑いを浮かべながら胸の中で楽にゴメンと手を合わせれば、きっとこんな事を話したんだと聞いた楽は眉を寄せるだろうなと想像する。

楽、か・・・

楽ならどんな役でもスマートに演じるから、オレも見習わないといけないよな。

そういえば、あのドラマで楽と愛聖はまた共演するんだったよな。

スケジュール的にどう考えても、愛聖はドラマと映画の両方を掛け持ちになるのか。

役柄だって全く違うのに、女優業って凄いよな。

「応援してるから頑張れよ?」

不意に呟きながら目の前にいる愛聖の頬に手を当てる。

『急にどうしたの?それに応援って?』

「いいんだよ、オレが応援したいんだから」

『やっぱり龍、なんか変なの・・・あ、もしかして朝ごはんにおかしな物でもたべたとか?』

ぽんっ!と手を叩きながら突拍子もないことを言い出す愛聖に思わず吹き出してしまう。

「愛聖が作った食事じゃなかったから大丈夫だって」

どういう意味よ!と笑う愛聖と一緒に笑って、そろそろ始まるみたいだねと白衣の襟を正した。
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