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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第19章 魔法のコトバ


❁❁❁ 三月side ❁❁❁

「部屋の中を走るなよ環!」

愛聖を呼びに言ったはずの環がドタバタと廊下を走って戻って来るのをキッチンから振り返りながら言う。

環「だって今からマリーの練習すっから俺隠れないとだし!」

「はぁ?練習ってなんのだよ。かくれんぼならもっと静かに・・・じゃなくて!お前、散歩がてら買い物行くのに愛聖を呼びに行ったんだろ?」

昨日から暇さえあると部屋に引きこもりっぱなしの愛聖に気分転換させようと呼びに行かせたのに、なんでかくれんぼやら練習やらに変わってんだ?と言えば、環はワクワクしながら愛聖とのやり取りを説明して来る。

環「だから練習すれば大丈夫じゃね?ってなって、今から目隠ししたマリーが俺のこと探しに来る」

「よく分かんねぇけど、目隠しでって危なくねぇか?もし階段でも落ちたりしたら大変だろ」

ただでさえ既に骨折経験者だってのに、これから仕事が入るかもって時にケガなんてしたら仕事出来なくなるだろ?と環に言って、そういうのやるなら、せめて広くて危なくないホールとかでやれよと促す。

環「だってマリーが仕事受けるか迷ってっから、だったら練習してみればいいじゃんって。なんもない危なくないトコだったら練習の意味なくね?」

「そうかも知れないけどな、環。だからと言ってあちこち危険だらけの場所でいきなりってのは無謀だろ。ケガさせてからじゃ遅いから、今すぐ愛聖のとこ行ってやめさせろって」

せっかく決まったドラマ出演もケガで降板する事になったらアイツは絶対ヘコむから。

事情は違うとは言え、突然降板する事になった化粧品のCMの時だってオレらには分からないようにしてたかもだけど明らかに落ち込んでた。

あの時も何かと愛聖が気持ちの支えにしてたのは万理さんだったし。

オレらといる時は普通にしてても、やっぱ万理さんの顔見ると・・・なんか違ったしな。

環「分かった。マリーが落ち込むのは俺もヤダから、行ってくる」

ようやく納得したのか、環が少しションボリしながらリビングのドアを開けようとすると、その向こうからは一織の声が聞こえてきた。

一「危ない!・・・こんな所でそんな目隠しをして歩くなんて何を考えているんですか!」





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