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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第19章 魔法のコトバ


万「実は俺、そのネット小説知ってます」

『えっ?!万理、読んだことあるの?』

驚きを隠さずに言えば、万理はニコニコとしながら、まぁね?と続ける。

万「書籍出版するって話題に上がった時、あ、コレもしかしたら映像化するかもなって思ってたんです」

小「さすが万理くん、いろんな所にアンテナ張り巡らせているね」

万「いつでもどこでも有能事務員ですから。って、そこは置いといて。それで、その時に連載されてたネット上の作者コメントに、映像化する事があったらヒロインは佐伯 愛聖がいいなぁ・・・とか書いてあって。なんでもその作者はデビュー当時から愛聖の大ファンらしくてね。どんな役を演じても、見る側からしたらどれも別人に見えて、そのストーリーに惹き込まれるからとか?」

それはちょっと、というか・・・かなり嬉しい意見だけど。

万「更に言えば、その話を書く時にヒロインのイメージを愛聖を思い浮かべながら執筆した、とか」

『そんな裏話があっただなんて・・・でも、そこまで考えて大切に書いたお話を、私をイメージしていたからと言った理由で安易に私がお引き受けしてもいいんでしょうか・・・』

ドラマや映画でよくある事は、原作者やシナリオ作家さんがイメージした内容が、役者や監督によって違うテイストに仕上がってしまう事。

それに伴って原作とは違うオリジナルストーリーだとか、原作の方がずっと良かったと言う意見がメディアや色々な所で注目されたりというのも、また日常的な出来事でもあって。

どうしたらいいんだろう。

原作者の方がそこまで考えてくれているなら是非やってみたいと思う反面、不安や怖さも同じくらい心の天秤に乗せられていく。

万「どんな作品にもそれぞれの味付けがあって仕上がって行く。それが楽曲であろうと映像であろうと同じじゃないかな?もちろん映像化となれば相手役との呼吸合わせにもよるんだろうけど、どんな相手役が来ても小鳥遊プロダクションのイチオシ女優な佐伯 愛聖なら、きっと大丈夫だと俺は思うけど?」

『またそうやってイチオシとか調子いいこと言って』

万「でも、本当はやってみたいって思ってるんだろ?俺には分かるよ。顔に出てるし?ね、社長?」

『えっ?!そんなに丸わかりだった?!どうしよう、イチオシ女優のレーベル取れちゃう』
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