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目に見えぬもの

第13章 再生



老人が慈しみ育てた木のてっぺんを、植えた順に撫でていく。

それが呼び水となり、世界は再び回り出した。


含んだ湿気が熱せられて立ち上ぼり、冷えて水を落とす。


要に油を差した歯車のように、ゆっくりと、けれど確かに。



ゆうに数えられるほどまで減った人間たちも、少しずつ、増えていった。




いつのまにか、老人はいなくなった。
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