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天才のオレに惚れなさい

第7章 天才と変化



 ある日の放課後、オレと桃浜は小会議室に2人っきりだった。
 窓の外では雪がチラついていたが、執拗な暖房のせいで室内は少し暑い。桃浜もオレも、ブレザーの上着を脱いで椅子にかけていた。
 長机の上には、2人の通学カバンの他に、白い紙束が山のように積まれている。
 オレたちは学級だよりの製本をしていた。桃浜は学級委員長で、オレが副委員長だからと、担任に作業を頼まれたのだ。

 そう、オレは副委員長なのだ。
 学期の始めの時、桃浜は学級委員長に立候補した。学業優秀な桃浜が学級委員長になることに、クラスの誰も異論はなかった。というか学級委員長をやりたいやつなんか他に居なかった。
 そして桃浜はオレを副委員長に推薦した。
 副委員長なんて全然やりたいとは思っていなかったが、クラスのみんなはさっさと役員決めを終わらせたがっていたから、そのままオレが副委員長に決められてしまった。

 なんで桃浜がオレを副委員長に推薦したのか、当時はわからなかったが、多分これも桃浜のこだわる勝ち負けとやらに何となく関係しているんだろう。今はそう納得している。

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