• テキストサイズ

私の妖精アカデミア【更新停止中】

第15章 竜(ドラゴン)の力


「オールマイトと…同じ事?」
「うん。暁さんは今、自分の全力を相手にぶつけてるんだ。脳無はその反動で浮き上がって、抵抗しようにも出来ないんだ。それより早く暁さんが攻撃してるから」

緑谷はそう説明するが、緑谷自身目の前で起きている事が信じられない。瀕死状態だった八雲の身体の何処にこんな力が眠っていたのか。それとも彼女は隠していたのだろうか。…何の為に?

それぞれの思考が動く中、脳無もとうとう動かなくなり、体の傷口も再生しなくなった。それに気付いた八雲が攻撃の手を止めた。脳無はそのまま落下し、緑谷達の目の前に落ちてきた。

「おいおい…嘘だろ?いくら試作品とはいえ、超再生は使える筈だ。…なのに何で再生しない!?」

再び荒ぶる死柄木。彼の言う通り、脳無の体は再生する様子を微塵も見せない。よく見ると脳無の傷口や破損箇所には何やら透明な何かがまとわりついている。

「これは…“水”?」
『正解』

黒霧が誰に言うでもなく呟く。そこへ八雲がストンと着地する。未だに強力な力を解放したまま、敵を見据える。

『それは少し特殊な水なの。私が自由自在にコントロールしているから』
「…まさか“水で脳無の超再生を止めた”、なんて言うんじゃないだろうな…」
『その通りだけど?』
「!?_ふざけるな!!俺の脳無を、たかが水なんかで…」

その一言を聞いて憤慨する死柄木。しかし脳無が変色していく様子を見て言葉は途切れてしまった。

『言ったでしょ?“少し特殊”って…それは「過冷却水」って言ってね。一度大きな刺激を与えるだけで凍っていく、言わば“魔法の水”。空中で戦った時に脳無の体内に吸収させたの。後は強く叩けば…ご覧の通り。再生しないのは、細胞の水分も凍っているからよ。見た目は化物で改造人間だろうと…元を辿れば人間なんだから、打開策なんていくらでも打てるわ』

脳無が変色した理由は体内の細胞や血が凍ったためである。

「(暁さん、こんな方法を思いついていたなんて…)」

緑谷だけではない。その場にいる生徒達が八雲に賞賛を贈る。

/ 150ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp