• テキストサイズ

私の妖精アカデミア【更新停止中】

第9章 初めての実践


思わず爆豪君を見上げると、額に軽く衝撃が走った。思わず額を掌で覆うと、爆豪君が意地悪そうな笑みを浮かべてこちらを見ていた。どうやらデコピンをされたらしい。

「待ってやるっつってんだよ。一回で聞き取りやがれ、暁」
『え、あ、ありがとう…えっと、名前…』
「どう呼ぼうが俺の勝手だろうが」
『…ありがとう、勝己君』

彼なりの優しさなのかもしれない。
気付けば、大分心が軽くなっていた。

『…じゃあ、また明日ね。もう帰るんでしょ?』

今回の戦闘訓練はかなり彼の心に響いた筈だ。
勝己君は図星だったのか、私から顔を逸らす。

『…“個性”使っちゃ駄目だよ!』
「わかっとるわ!」

念の為に確認すると、逆ギレされてしまった。さっきまでの優しい君はいったいどこに行ったのやら…

出久君、もう目が覚めた頃かな。
私は急いで保健室に向かった。

「……クソナードとかだけに名前許可してんじゃねぇよ」

__保健室にて

ガラガラッ
『失礼します。緑谷君はいますか?』
「はいはい。あー、その子ならそっちのベッドで横になってるよ。全く、とんでもない無茶をしたもんだよ」
『それに関しては何もフォロー出来ませんね…。彼の傷、私が治しても良いでしょうか?』
「別に構わないけど…!あんた、もしかして」
『はい。体力テストの時に、彼の指を治させてもらった者です』
「そーかい、あんただったんだね…」

カーテンをめくると、出久君がぐっすり眠っていた。傷が痛むのか、顔は険しくなっている。

傷は特に左腕が酷いみたい。勝己君の爆破は凄い威力だったし、それをモロに受けたのだから無理もない。

『モード〈天竜〉』

私の周りを見えない風がやんわりと包み込む。まるで誰かに守られているようで、とても心地が良い。

掌を重ねて、出久君の左腕に軽く触れる。そして、治癒魔法を左腕を中心にして、出久君の体全体にかけていく。

「ほう…」

リカバリーガールが様子を見に来た。私の治癒の力が気になったのだろう。
彼女は私の魔法と出久君の傷の様子を見て、感嘆の声を上げた。

「傷の治りが早い…いい“個性”じゃないか。あんた、名前は?」
『…八雲、暁です』

やっぱり“個性”だと思われるよね…
/ 150ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp