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私の妖精アカデミア【更新停止中】

第7章 個性把握テスト


三人と別れた後_

『友達ができて良かった…クラスで仲良いのが百だけなんて少しまずいし』

出来ればクラスの皆と仲良くなりたいし、明日からもっと声をかけてみようか。
明日に向かって気合を入れていると、屋敷に着いた。

『ただいまー』
「暁お嬢様、おかえりなさいませ」
『ただいま帰りました、爺や』

玄関で靴を脱いでいると、爺やが出迎えてくれた。

『あの、百は…?』
「百お嬢様でしたら、厨房で準備をされていますよ」
『厨房?準備?』

なんだろう、入学祝いとか?でも、それなら私を誘ってくれてもいいのに…

『着替えてから厨房に行ってみます』
「かしこまりました」

爺やは私に恭(うやうや)しく頭を下げてから戻って行った。
自室に戻って着替え、厨房に行ってみると良い匂いがしてきた。

『この匂い…ケーキと私の好物かな?』

ドアを開けてみると、部屋の真ん中には大きなテーブルが用意されていて、その中心にはチョコホールケーキが鎮座している。そしてケーキを囲(かこ)む様に私と百の好物が並べられていた。

『わぁ、美味しそう!これ全部百が用意してくれたの?』
「暁お姉様!お帰りなさいませ。私がと言うより、シェフが私の指示通りに用意して下さいました」
『百にもシェフにも感謝だね。でも、入学祝いにしては豪華過ぎじゃない?』

こういう時はお赤飯を炊くものではないのだろうか。私が質問すると、百は少し寂しそうに、けれど懐かしそうに言った。

「やはり、お姉様は覚えていないのですね…確かにお姉様にとっては些細(ささい)な事なのかもしれませんが」
『え⁉私、何か忘れてるの?え、えぇっと…』

思い出せ思い出せ…今日は入学日だけど、他に大事な事ってあったっけ?誰かの誕生日でもないし、何かの記念日とか?

『ご、ごめん百…私には分かんないや』
「いいえ、無理もありません。なにせ“十年前”の事ですから」
『“十年前”…!もしかして…』

私は考え込んで下を向いていた顔をパッと前に向ける。目の前では、百が優しい眼差しをこちらに向けていた。

「はい。十年前の今日は、私と暁お姉様が初めて出会った日なんですよ」





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