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私の妖精アカデミア【更新停止中】

第4章 夢の中で


メイビスが暁に向き直る。

《貴女の相棒のことです》
『相棒…って愛龍の事ですか⁉彼とはフェアリーテイル解散以来、会えてなかったんですけど…』

愛龍は私の最高のパートナーと言っても過言ではないエクシードだ。いつも気だるげな態度を崩さないが、その目に強い意志を持っている。彼は意外と戦闘好きでもある。

《彼も怒っていましたよ。あちらへ送っておいたので、話を聞いてあげて下さいね》
『恐ろしくて聞けませんよ』

説教長いし…ていうか離れていったのはあの猫からだったと思うのだけど…。

『愛龍も魔法が使えるんですか?』
《もちろんです。いつも通り貴女をサポートしてくれるでしょう》
『魔法が無いとこの先大変でしょうね。目覚めた時だって_!』

そこまで言って初めて気付いた。私は彼女に聞かなければならない事がある。

『初代、この世界はどういう世界なのですか?魔法界とは全然違うし…』

今思い返してみると、何やら【ヒーロー】【敵(ヴィラン)】【個性】という聞き慣れない単語が存在していた。【個性】と魔法は別物なのだろうか?

《その事なら、貴女と眠っている少女にでも聞いてください。別世界の事情は別世界の人がよく知っていますから》
『(投げやりにされた気分…)』
《貴女はあちらの世界では“記憶喪失をした幼い少女”です。相手も疑う事などありませんよ》

“記憶喪失をした幼い少女”…か。自分でついた嘘にもかかわらず、胸がチクリと痛む。

《あの少女も言っていましたが…貴女が気に病む必要はありませんよ。これは本当に必要な嘘、言わば方便です》
『…お心遣い感謝します、初代』

では布団に戻って百(もも)に聞くとしよう。丁度時間が来たのか、暁とメイビスの体が光を帯び始める。そして徐々に足のつま先や手の指先から体が消え始めていた。

《いついかなる時も、私達は貴女の事をずっと想っています。それだけは忘れないで下さい》
『はい!…初代、お元気で』

暁が消える時、メイビスは最後まで暁をずっと目を合わせていた。まるで意思疎通をするかの様に。

『貴女と約束です…私は出来る限り、この世界の為に尽力を尽くします。例えこの身が果てようとも』


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