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私の妖精アカデミア【更新停止中】

第4章 夢の中で


メイビスが言うには、まず彼らは魔法界で“生きている”という事が問題らしい。

《彼らは私達がいる世界で“実体を持って”生きています。その方達をわざわざ別の世界へ移動させるには、相当のリスクが必要なのです。その点、貴女の様に死んでしまった…つまり“霊体”である貴女こそ、この手段が可能なのです》

なるほど…私は丁度いい時に死期を迎えたらしい。

『フェアリーテイルの初代マスターである貴女に、この様な任務を与えて頂けて光栄です。けれど、私にこの仕事は無理があると思います。それに、私は…』
《分かっています》

メイビスが暁の言葉を遮る。

《「私はまた仲間を守りきれない」…そう考えているのでしょう?》
『…はい』

改めて魔法界での出来事を思い出してみると、私にはまだ未熟な点がいっぱいある。

闇ギルド【幽鬼の支配者(ファントムロード)】の襲撃の時、楽園の塔での一件、三大闇ギルドの一角【六魔将軍(オラシオンセイス)】【悪魔の心臓(グリモアハート)】との衝突など、アルバレス帝国と対立するまで数々の出来事があったが、どれもギリギリで切り抜けてきた。S級魔導士の資格を取ったにもかかわらず、情けない話だ。

《貴女は無防備な所がありますからね。六魔のコブラやセイバートゥースの双竜まで、貴女に取り入ろうとしてましたね。(ボソッ)私が霊体でなければ暁に軽々しく触れられないように出来るのに…》
『あ、あの…初代?』
《なんでもありませんよ。お気になさらず》

いやだって今ボソッと物騒な事を…。
メイビスの顔を見るとニコッと微笑まれた。
…この事は追求しない方が良さそうだ。

《貴女は全ての竜に、あのアクロノギアにさえ愛された【竜の愛し子】ですからね。滅竜魔導士や竜に好意を抱かれるのも当然と言えば当然なのですが》
『第一世代と第三世代ならともかく、第二世代まで影響があるのは驚きましたね』

《…少々話が脱線してしまいましたね。後、貴女に説明しておく事があります》
『は、はい』

ほんわかした話からいきなり真剣な話に変わるのはやめてほしい。心臓に悪いから。



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