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私の妖精アカデミア【更新停止中】

第16章 戦いの後で


流石のS級魔導士でもその言葉には驚いた。しかし八雲は納得がいかなかった。仮に自分を陥れようとしていても、何故、どういう手段を使っているのか全く分からないからだ。

『初代。説明してもらえますか』
《はい。まずあちらの世界の人々の“上の方々”は、私達の存在を知っているのです》
『“上の方々”…警察で言う“上層部”だったり、“プロヒーロー”も含まれますか?』
《ええ。しかしプロヒーローは知らない方々の方が多いでしょうね…“上”が揉み消しているので》
『…なるほど』

メイビスの言葉に頷く八雲。しかしある矛盾に気付く。

『待って下さい。何故、“光”である警察が私を疑うのですか?私が味方だと知っているのに…』
《貴女を敵側だと告発した人物が、敵だからです》
『…悪(ヴィラン)が正義(ヒーロー)を告発したって事ですか』
《そうなります》

八雲は頭を抱える。何故警察は敵の言う事を信じたのだ。あちらは“疑わしきは罰する”社会なのだろうか。

《まず上層部が私達を知っている理由は、互いの世界を守る為です。片方が悪に染まりかければ、もう片方が助けに行く。その約束を、何世紀にも渡り受け継いで来ました》
『送り込まれた使者の身元を紛らわす為、上層部しか知らないのですね』
《ええ。貴女が目を覚ます前に上層部に掛け合い、疑いを晴らしておきました。警戒も解かれるでしょう》
『…それ、今言います?もっと前に言ってくだされば…』
《あ、もうそろそろ目を覚まさないといけませんね》
『………』

八雲の白い目もなんのその。メイビスは明るい笑顔で手を振る。

《後もう一つ》
『?』

《1-Aの生徒達には話しても構いません。私が許可します。…それに普通科のあの少年にはもう知られているようですからね》
『!!…ありがとうございます、初代』


彼女の笑顔を見届けながら、八雲は静かに意識を離した。
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