• テキストサイズ

私の妖精アカデミア【更新停止中】

第16章 戦いの後で


塚内は八雲の名前を聞くと難しい顔をした。そして言葉を選ぶように八雲の容態を話す。

「彼女は…その、少し危うい状態でね。主に首を重症、酷く衰弱している為リカバリーガールの“個性”を使おうにも使えない。直ぐに病院に運ばれたよ。今頃、手術(オペ)を受けているんじゃないかな」

「「え……!?」」

この場にいる1-A全員が言葉を失った。自分達を救ってくれたクラスメイトに、命の危機が迫っているなんて思っても見なかっただろう。

「そんな…お姉様…!!」
「八百万…」

八百万が泣き崩れ、その背中をさする耳郎。他の皆も、八百万までとはいかないが、不安が拭えない顔色だ。

特に切島と爆豪の顔色は冴えない。自分達が飛び出してしまったことにより13号の邪魔をし、クラスメイトをみすみす危険な場所へ送り込まれてしまった。その負い目を感じているのだろう。

それぞれが苦渋の表情でその場を後にする中、現場に残った塚内は心の中で深いため息をついた。

「(言える訳ないよな…病院に送られたのは、“監視”の為でもあるって)」

塚内は八雲の事を幼少期から知っている。彼女の事を“敵の子供、又は幼きスパイ”と上層部が疑っているとの情報があり、たまたま見かけた事があったからだ。

なぜ上層部が子供一人にそこまで警戒するのかは自分にも分からない。ただ一つ言えるのは、八雲がクラスメイト達を守るのに全力を尽くした、という事実だ。

「(彼女にもきっと、なにか理由(わけ)があるんだろう。たまに姿を見たり評判を聞くが、全く悪人には思えない)…あまり大事にならないといいが」

塚内は不安になりそうな心を入れ替え、根津校長の元へと向かった。

/ 150ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp