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甘い貴方を見つけるまで【佐藤流司】裏

第9章 Sugar9


稽古が終わり、家に帰ってきた。

流司さんは、蛇の皆と飲みに行くみたい。


今は彼がいない時間が、私の心を休めてくれる。


流司さんといると、優衣さんのことばかりが、頭の中をぐるぐるする。

彼も優衣がさぁ、とか、優衣さんの話しかしないんだもん。


そうだよね、優衣さんとばっか話してるもんね、彼女のことしか、話すことないもんね。


優衣さんのとこ行くんなら、行けばいいじゃん、バカ・・・。

私なんか、振っちゃえばいいじゃん・・・。


ご飯は食べる気にならず、シャワーを浴びて寝る準備をした。


最近はずっと、ソファーで寝てる。

彼が言ったわけじゃないけど、今は彼と一緒に寝る気になれない。

えっちなことだって、してない。

誘って来ないし。

疲れてるんだろうなぁって、自分に言い聞かせて、傷付かないようにしてる。


今は、自分の都合のいいように思わないと、彼といれない。

それでも頭の中は、優衣さんのことでいっぱいだ。


彼が帰って来る前に寝ようと思ったのに、鍵を開ける音がする。


そんなに時間経ったのかな?


「ただいま。」


寝たフリをする。

彼の口からまた、優衣という言葉が出ないように。


彼が頭の横の床に、座った気配がする。

寝たフリしてるの、バレたかな?


「心羽・・・。」


バレてはいないみたい。

それにしても、なにしてるの?流司さん。


私のほっぺを両手で優しく包み込んで、少し怒りを含んだ声で、私を呼んだ。


「心羽のバカ・・・広大がいいわけ?」


その言葉に、思わず目をぱっちり開けてしまった。


「起きてんじゃん。」


「優衣さんしか、見てないんじゃないの・・・?」


私のバカ!

嫉妬、丸出しじゃん!

彼には、妬いてるの、バレたくなかった。


私には、キャストとあんま話すなとか言っときながら、自分だったら、いいんだね。

そりゃあ、流司さんにとったら、共演者だし、仲良くするのは、当たり前かもしんないけど・・・。

彼女との距離は、近過ぎると思うよ。


同い年っていうのもあるかもしんないけどさ・・・酷いよ・・・。

一切、私には構わないだもん。


前は、キャストと話してると、割って入ってきたくせに、今は、優衣さんとばっか話して、私に近付こうともしない。








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