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【S】Moebius Ring~目覚めたら執事!?~

第6章 現場検証



何はなくとも現場百回。更なる手がかりを求め、俺らは美羽が指輪を保管していた場所周辺を念入りに調べてみた。

胸くらいの高さのアンティーク調のタンス。その一番上の小さい引き出しに指輪を保管していたという。他の貴金属は専用のジュエリーケースにちゃんと並んでいるし、タンスの他のものが荒らされた形跡もない…。


「特にこれといって不審なところはなさそうですね…」
「ん~…そうね…」

しっかし。封筒やら便箋なんかが無造作に入っているこの引き出しの中に、ポンと指輪ケースを入れてたってのもな~…。ちょっとどうなの?ってカンジ。むしろそんなもんがここにあった方が違和感だよ。

「…」

もしかしたら、そのせいで盗まれた?その気で物色したわけじゃなかったとしたら…?

たとえば、たまたま服が取っ手に引っかかって引き出しが開いてしまった、とか。このタンス、取っ手を掴んで引っ張るタイプだし。それか、閉め忘れてちょっと開いてたってケースも考えられる。

で、何の気なしに視界に入った引き出しの中に、やたら目を引くモノがあったとしたら。しかも明らかに指輪サイズのジュエリーケース。そしてここは超金持ちの家…。

「…」

もしかしたら、そのせいで余計な邪念を生んだのかも…。

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