第5章 捜査開始

頭脳明晰で成績優秀な美羽は、周囲の推薦もあり某有名大学へ進学。大学在学中は本人の自由にさせてくれるという約束を取り付けていたようだ。ちなみに姉の方はもともと関連会社の御曹司との結婚が決まっていて（いわゆる政略結婚的な？）、実質家督を継ぐのはやはり美羽らしい。

で、一刻も早くその準備をしてもらいたい旦那様と自由でいたい美羽は常に衝突が絶えなくて。大学までは、という言葉を逆手にとってか、研究自体が楽しいのもあるのか、大学卒業後そのままつら～っと院へ進学。この様子だとそのままドクターコース、さらには延々研究室に居残るつもりなんではないかと、周囲は危機感を募らせているとか…（ま、主に旦那様が？）。

もともとそんな状態なのに、大好きな姉が嫁いでしまったからさあ大変。一番の理解者がいなくなった美羽は、ますます意固地になってしまい、二人の対立はさらにヒートア～ップ！！

…なんだってさ。ちなみに、奥様はどうやら姉の方と同じ状況でこの北条家に嫁いできた身らしく、旦那様を立てつつも、できる限り娘たちには自由にさせてやりたいらしい。

ふう～ん…


って、マジでめんどくさい家なのね。ま、同情の余地はかなりあるよ。こんな家に生まれたら、そりゃ諸々ストレスハンパないだろうなって。自分で未来が決められないってのは…相当キツイよ？うん。かなりキツイ。

ひょっとして、美羽のワガママもある種の自己表現なのかもしれない。寂しさの裏返し、とかさ。気持ちのやり場がなくて…みたいな。そう思うと、多少のことは目を瞑ってやろうという気にならないでもない…


松「…甘い。甘いですよ先輩！アレはね、単なるワガママっつーんです！ガキの甘えですよ、あんなのはっ」
櫻「…ほーね(笑)」


まあ…

俺は、ね？(笑)