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【S】Moebius Ring~目覚めたら執事!?~

第5章 捜査開始



まずは事件のおさらい。

美羽の姉、美月へのプレゼントとして用意していた大事な指輪が紛失した。美羽が最後に指輪を見たのは先週の土曜日の朝。それ以降は不明。今日が月曜なので、ほんの数日の間に紛失したことになる。

屋敷内での聞き込みはすでに済ませておいた(もちろんお着替えの前に)。


まず、お嬢様。

美羽「私は部屋から持ち出したことはないわ。同じ場所にしまっておいたし、こないだ見た時もちゃんと同じ場所に戻したもの」

ということなので、定位置にない=誰かが持ち出した、ということだ。ちなみに定位置は自室のタンスの一番小さな引き出しの中。便箋やら封筒やら切手やらが入ってるアナログお便りコーナーに、渡せずにいたその指輪を保管していたという。


松「てことは…やっぱ泥棒、ですかね」
櫻「ん~…ゼロではないだろうけど…」

なんせこのお屋敷、セキュリティーがハンパないんだよ。そんじょそこらのコソ泥はおろか、かなりベテランの鍵師でも侵入するのはなかなかちょっと無理っていうか。相当難しいだろうなって。ま、あくまで素人の俺の印象だけど。

で、当然邸内にはそれ相応な品々がきらびやかに陳列されている。装飾品の絵や掛け軸はもちろん、花瓶や電話なんかのちょっとした家具にしたって、アンティークなのかオーダーなのか、見た目すでに高そうなんだよね。指輪と比べたって桁が違うだろっていう逸品ぞろい。てか、消耗品にいたるまでかなりハイレベルよ。値段がすべてじゃないけど、なんつーか…“いいもの”なんだよね。スリッパひとつにしたって。

なので、あえてその指輪だけを盗んでったってのが、どうにも腑に落ちないわけで。というより、俺でももっと別なもん持ってくかなって。この家に泥棒に入ったんならね?だって明らかにそれを上回る高価なシロモノが、もっとわかりやすい場所にわんさかあるんだから。

もちろん、そういった何かが紛失したという話は一切ない。となると、やはり指輪を狙った犯行ということか?警備担当者は特に不審な人物は見かけていないというし…。

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