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【松】六人の兄さんと過ごした三ヶ月

第7章 派生③おそ松&チョロ松END



「う、うん。よく分からないけど、ほら行こう」

 いやあんた、絶対分かってるでしょう!?
 お兄さんに引きずられて仕方なくっていう姑息なスタンス、止めていただけますか!?

 しかし体力を奪われている私は、ズルズルと引きずられていく。
 助けは結局、どこからも来なかった。

 …………

 翌朝。

 ボロボロの状態でどうにかホテルのシャワーに入った。

 出てきて床に散らばった服をノロノロと回収する。
 するとポケットや下着の中、色んな場所から万札がパラパラこぼれ落ちた。

「…………」

 床に落ちた万札を見、私はしばし無言で立ち尽くす。

 よし殺そう。

 ベッドの上で寝ているクズ二人に、全力の蹴りを入れに行ったのだった。

…………

 その日。
 私はまた一松さんに素っ気なくされ、外出支度をしながら、部屋でショボーンとしていた。

 今日もまた研究所の片付けだ。働かねば。
 どよーんとしたくをしていると、部屋のふすまが開いた。

「松奈!」

 立っていたのはチェックのシャツ姿のチョロ松さんである。
「な、何ですか?」
 先日、クズ長男ともども襲われた記憶がある。
 私は警戒心バリバリで三男を見た。

「あ、あの……松奈……」
 チョロ松さんは、顔が真っ赤で、緊張で息をぜぇはぁさせている。
 でもすぐには用件を言ってこない。
「その……」

 まさか、良からぬお誘いですか?
 あのねえ、私はあなた方の性欲処理の道具じゃないんですけどー。

「だから何ですか。早くして下さい」
「あ。ごめん……その……」

 小娘の発言にビクッとしないで下さいよ、三男坊。

 それにしても、ここ最近、おそ松さんが本当にしつこい。
 一松さんに相談した方がいいんだろうか。
 けどどう転んでも血みどろの争いになるしなあ……。

 別に自己犠牲に走るわけじゃないけど、私はもうすぐ帰る。
 私がいなくなった後、兄弟の絆に無用なヒビが入ってて欲しくないのだ。 

 だから私が我慢するしか……ああ、我ながら何てけなげな私!!
 自己陶酔に浸っておりますと、チョロ松さんが手をぶるぶるさせ、真っ赤な顔で、

「あ、あ、あの、こ、この前の、アレ、写真、撮っちゃった、か、から……。
 俺と、でででデート、してくらひゃ……くだ、さいっ!!」

 ……は?


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