第27章 偽りの同盟
『佐助と姫はこの先か?どう見ても開けた道には見えないが』
『こっちは裏門だ。ここから城下町に出るには時間がかかる。おそらく城の外に隠れているのだろうが、万が一追われているとなると佐助であっても女連れでは分が悪い。景家と合流して2人を探すぞ』
謙信と信玄は2人がすでに裏門から出ていったのだと確信すると、再び景家と合流するために来た道を戻っていく。
広間から突然聞こえた爆発音は朝倉と長政にも聞こえていたが、この2人には何の心当たりもなかった。
政宗と景家に刀を向けられながら厳しく問い詰められても何も答える事ができない。
全員が爆発を起こした犯人を特定できないまま、佐助と直美は必死に城下町に出るため走り続けていた。
一乗谷城の裏門からは下りの山道が続いている。
人の歩く所は踏み固められているものの、現代のように整備されていない山道は凸凹も多く、背丈ほどに伸びた雑草が視界を遮る事もあり非常に歩きにくい。
落ち葉で足を滑らせたりしない様に慎重に進むが、その分確実にスピードは落ちる。
気づけば少しずつ日が落ちはじめていた。