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【イケメン戦国】プレゼントを探せ!〜徳川家康誕生祭⑤〜

第10章  【真紅の水仙】〜誕生祭⑤〜後編※R18




今宵の月光。
部屋の格子窓から入り込み……
その鋭く放つ光を浴びた、白い水仙。




シュルッ……




(やっぱり……無理だよ……///)




ある理由で、
着用していた白いエプロン。


それを脱ぎ、床に落とせば……
着物の胸元に少し不自然な膨らみが現れる。


衣擦れの音を響かせ帯を外せば、着物がはらりと左右にはだけて、ほんのり酒気を帯びて桃色に染まった素肌と、真紅のビロードが月明かりに浮かんだ。



待女たちは、祝い事の風習か何かと勘違いしてたみたいだけど……未来では特殊な下着呼ぶべきかコスプレと言うべきか。


(こ、こんなの見られたら……///)


家康の、あの綺麗な翡翠色の瞳で。

それを考えただけで、
ぞくっと背筋に熱いものが走る……


(薄暗いから、目立たないよね……)


長い息を吐き出すと、寝着に着替え、襟合わせをキュッとして、いつもよりきつめに腰紐を結ぶ。


そして羽織を肩にかけ、深く息を吸い込み襖のほうに視線を向ければ、さっき女中が運んできた荷物を、静かに見つめた。

部屋に送り届けて貰った時に預かった、スプーンの入った木箱と文。そして、宴で武将たちから誕生日祝いに貰った数々の贈り物。

それがこの部屋に届けられたということは……今夜、家康が泊まる場所がここだと言う証拠。

私は普段、大切な物を仕舞っているちりめん素材の小箱の蓋を開け、巾着型の布袋を二つ取り出す。

一つは鮮やかな翡翠色。
もう一つは明るく淡い桃色。

どちらも、
春の温かみを感じる色合い。


(喜んでくれるかな)


これを作っていた時の心境を思い出すと、羞恥心は少し和らぐけど……




「……入るよ?」




襖越しに聞こえた声には、あからさまに反応してドキリと胸が跳ねた。




「い、今、開けるから」




桃色の方は箱にしまい、翡翠色の袋だけ持つ。そして襖の前に移動して大きく深呼吸。取っ手に手を掛け、一呼吸置いてから指先に力を入れた時。


ススッと先に家康が襖を開き……

驚いて顔を上げれば、
翡翠色の瞳といきなりぶつかった。


「は、早かったね///もっと、ゆっくりで……も……」


早まる鼓動と緊張を紛らわせようと自分の髪に触れようと手を動かす。




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