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おかえり〜I'm home〜(R18)

第35章 a LOVELY TONE





「泣かないで・・・。泣くのは、俺の話きいてから幾らでも泣いていいから」

きゅうっと、私を抱きしめて、
子供をあやすようにぽんぽんと、背中を撫でてくれる。

その温もりと声に・・・ゆっくりと私は心を落ち着かせていった。


「りお・・・」


それを感じて、及川さんは私の耳元に、唇を寄せた。
甘く、優しく、愛しい声で、彼は言葉をくれた。



「好き・・・」

「ぇ・・・」

「大好き」

「・・・・・・」

「愛してる」


次々と告げられる愛のある言葉を、私は静かに聞いた。
やがて及川さんは私を開放して、私たちは見つめ合った。

「今までお前に、たっくさんこんな言葉を伝えてきた。伝えられる距離に、お前はいてくれた・・・。それがかけがえない幸せな事だって、俺はずっと思ってる」

「・・・・・・・・・」

「だけどね・・・俺、まだお前に伝えてない言葉が一つだけあるんだ。ずっと、ずっと伝えようとしてきた言葉、言わせてほしい」


夕陽が私たちを、優しく照らしていく。
夕陽が2つの影を・・・1つに繋ぐ。

「・・・・・・うん」

私は静かに頷いた。



及川さんは微笑んで、私の左手を取り、

「りお・・・」

そしてその薬指に・・・

優しく輝く輪を嵌めてくれた・・・






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