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おかえり〜I'm home〜(R18)

第1章 spring memory①





ーーー・・・


(3丁目・・・確かこの角曲がってすぐに・・・)

昨日と同様、晴天。キャリーケースを転がしながら住宅街をスマホをナビ代わりにしながら歩く。

「あ、あった・・・」

探し求めていた表札・・・及川の名前を見つけるとほっと胸をなで下ろした。
ここが、お母さんの妹・・・及川叔母さんの家だ。

私の・・・新しい我が家。
ここでの生活をとても楽しみにしていた。

昨夜とは違ってウキウキした気持ちで、玄関の横のインターフォンを鳴らす。

「はぁ〜い」

あ、よく知ってる、叔母さんの声が家の中からする。

インターフォンが点灯し、

《りおちゃんね!はい、はいっ!今開けるから待っててね!》

そう返ってきた。

「ごめん、ちょっと手はなせないから、出て〜!」

何だか慌てている。大丈夫かな?

そんな心配をよそに、暫くすると扉がゆっくりと開いた。
それと同時に、門扉を開け、キャリーケースを持ち上げて敷地内に入る。

丁寧に門扉を閉め、改めて玄関に向き直る、とーーー・・・


「え・・・?」

目の前に、有り得ない光景が広がっていた。
ドアノブに手をかけ、玄関の扉を開けている人物・・・

私が"彼"を驚愕の目で見ているように、"彼"も私を驚きの眼差しで見つめていた。


「なん、であんたが此処に・・・!」

絞り出すように言った言葉に、彼は、視線を逸らしポリポリと頬をかく。

「あー、そういうことね・・・」

どういうこと!?

その頬はほのかに腫れていて、何故腫れているのか、私は理由を知っている。


彼は、昨日私に無遠慮にキスしてきた変態男だった・・・


「あらぁーっ!りおちゃんいらっしゃーい!」


ピリッとした空気をかき消すように、朗らかな声が家の中から聞こえる。

彼の後ろからひょっこりと顔を出したのは、私のよく知る及川叔母さんだった。

「叔母さん、この人・・・」

「あら?会うの久々だったかしらね!いつもバレーばっかりで会えてなかったものね!」

叔母さんは、彼の隣に立ちにっこりと微笑んだ。


「覚えてるかしら?息子の、徹よ〜ん」


息子・・・・・・
ん?ということは・・・・・・

「わた、しの・・・従兄弟って事ですか?」

震える指で失礼にも彼を指す。

「そうよ♪今、徹もこっちで住んでて、仲良くしてね♪」


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