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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第5章 激情



「っは、そうか。そんなにオレの命令が聞けねぇか」


耳元で囁かれるその言葉に、ナツはゾクリと身を震わせる。

すぐ真横にある彼の瞳に映る狂気。
ナツは視線を合わせることができなかった。


「何時までその態度が続くか見ものだな。その調子で頑張れよ」

睦言のように囁かれた言葉に、ナツは身じろぎをする事さえできない。

ローはその様子を笑みを浮かべた表情で見ていた。
そしてナツの首元に口づけを落とすと、彼女を解放した。


「今日オレはあの部屋にいない」


低い声で伝えられたその言葉。
それは一体どういうことなのだろうか。

ナツは回らない頭で、その真意を探った。
いない日くらい持って来いと言う事なのだろうか。

どうしてそこまでして私をパシらせるんだ。
というか何か用事があるのか?だったらここで言ってくれよ。

ナツの頭の中を、グルグルと当てもない問答が繰り返し渦を巻いている。


「よく考えるんだな」


それだけ言うと、院長はその場を去っていった。






「……はぁぁぁぁ」


ローの姿が完全に見えなくなると、ナツはズルズルと壁を背に座り込んだ。

人生初の壁ドンがまさかあんな狂気に溢れていた物とは。
恋愛漫画で見たものとだいぶ違うんだが。

ナツは頭に手を当てて先ほどのやり取りを思い出した。

……最後の日くらい、持って行ってやろうか。
どうせ碌なことにならない気がするが、彼の根気強さに負けた。

根気を通り越して最早狂気だが。

ナツは立ち上がると、荷物を取りに行くために受付に向かった。





あぁ、ほんと……とんでもねぇ病院だったな!!
もうこれで終わるけど!
何?このラストミッション!
神様は一体私に何をさせたいんだ。

ナツは盛大にため息を吐いたが、
その答えを教えてくれる神も人も、辺りにはいなかった。



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