Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第5章 激情
「ナツさ、院長に何かした?あとペンギンとシュライヤ医局長にも」
「何もしてないですよ」
何でどいつもこいつも私が何かしでかした前提で話を進めるんだ。
私は加害者じゃなく被害者だ。
ペンギンとシュライヤ先生には、助けて貰ったけど。
「シュライヤ医局長、昼休みにナツ探しにここに来たよ」
「え?なんで」
何か用事があったのだろうか。
それは悪いことをしてしまった。
全く検討が付かない様子のナツに、ベポは改めてため息をついた。
ナツが昼の休憩に出ていってすぐ、シュライヤ医局長はナツを探しに受付にやってきた。
なんでも昨日の昼、看護師に追い回されていたらしいナツを保護してくれたらしい彼は
今日もナツを安全な場所で休ませようと、医局長自らわざわざ受付まで足を運んで来たらしい。
居ないと伝えると血相を変えた彼はナツを探しに駆け出して去っていくし。
その後ナツを連れて帰ってきたペンギンは、受付に看護師が来るようなら内線で自分に連絡を入れろと言ってくるし。
何でも正看護師のリデルに刃傷沙汰に巻き込まれたらしいけど
それにしたって皆揃ってナツに過保護過ぎると思うんだ。
「ナツ、本気になれば雌豚総駆逐できるんじゃないの」
きょとんとした顔で見上げてくるナツは、そんなこと微塵も思っていなそうだ。
trafalgar医院のスリートップをこうも無意識に手玉に取る彼女が
本気を出せば看護師達なんて簡単にどうにでもできるのに。
そういう方面にはめっぽう弱そうなこの戦友にこっそりため息をついた。
でも、ナツらしい。
そんな鈍くて不器用でアホで頭が多少イカれているナツが、ベポは好きだった。