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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第4章 思い



「俺女の子は、素直で聞き分けの良い子が好きなんだよね」

「どれでも好きなの持っていって良いわよ。院長に相手にされない気の毒な看護師達なら、そこにいくらでもいるじゃない」


女なら提供する。
だからナツを置いて立ち去れ。

リデルは案にそう言っていた。

途端にえ、どうしようと色めきだつ背後の看護師達は
院長じゃなくても良い男に相手をして貰えれば何でも良いんだろうか。


「だからさ、ナツが良いって言ってんじゃん。そんな怖い顔すんなよ。綺麗な顔が勿体ない」


ペンギンの言葉に一斉に落胆する看護師達。
お前ら本当に現金過ぎるだろ。

ナツはもう、呆れすぎてため息すら出てこなかった。

……ペンギンは、喉元に突きつけられたあのナイフが怖くはないんだろうか。

ナツの心配を余所に全く動じることもなくへらへらとおどけている彼に、リデルは隠すつもりもないだろう盛大な舌打ちを鳴らした。


「邪魔しないで。本当に、刺すわよ」

「行き過ぎた愛っておっかないのね。俺もさ、……あんまり女の子相手に怒りたくないんだけど。」


ペンギンの表情から、笑顔が消えた。
背後の現金な看護師達が、揃って息を飲む音が聞こえる。

自分に向けられている物ではないとは言え、静かに怒気を発するペンギンを
恐いと思った。

しかしリデルはどうあっても、ペンギンを追い返してナツの体に傷を刻みたいようだ。


「怒ってくれても結構よ?私別に、あなたなんて怖くないもの」

「へー。じゃあ遠慮なく。……後悔すんなよ」


その言葉と同時に、目にも止まらぬ速さで喉元に突きつけられたナイフを叩き落としたペンギンは
驚きに声を上げたリデルに構わずその腕を後ろに纏めあげると、足を払いバランスを崩した彼女を結構な勢いで床に押さえ付けた。

物凄い早技と鮮やかさだ。

武術に長けたナツの目から見ても、ペンギンの身のこなしには一切の無駄がない。

通りで気配を感じなかった訳だ。

ナツはボスがやられて慌てふためく看護師達に乗じて起き上がり、飄々とした様子でリデルを抑えつけているペンギンに

お前マジで何者だよという視線をぶつけていた。

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