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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第3章 訪問者



まだ朝に分類される時間帯だというのに、ナツはすやすやと惰眠を貪り続けていた。
彼女の安らかな寝息だけが聞こえるその部屋に、一人の訪問者が現れる。

彼は物音一つ立てずに扉を開け、その隙間からベッドで眠るナツの姿を確認すると
室内の空気に溶け込むかのように、気配もなく彼女の元へと忍び寄った。

深めに被った帽子のつばを少し押し上げて、あどけない顔で眠るナツの寝顔を覗きこむ男。
ペンギンはただ、その様子を興味深そうに見ていた。

寝ているのであれば起こさぬようにと思ってはいたものの、見ているだけというのもつまらない。
いたずらでも思い付いたかのように口の端をにっと吊り上げたペンギンは、ベッドボードに手を付くと
上体を折り、幸せそうに眠る彼女に顔を寄せた。


ちゅっ


電源でも入れたかのように、パチリと瞼を持ち上げるナツ。
寝起き早々彼女の視界に広がる景色は、至近距離でこちらを覗き込んでくる見知った顔。


「おはよ」


二人の視線が交わること数秒。
ペンギンの言葉に遅れて状況を理解したナツはマッハの速さで後退った。


「ペ、ペンギン?!……何者?」


頬に温かい感触を感じるまで、まるでその気配に気付かなかった。
慣れない場所で寝ていた分、普段以上に周りの気配には敏感になっている筈なのに。


「何者って。……年若くしてリハビリ部門を統括するイケメン部長?」
「……リハビリの部長って、ペンギンだったの?」


言ってなかったっけ?とけろっとした調子でベッドサイドの椅子に腰掛けるペンギン。

聞いてねぇよ。
っていうかなんで気配がないのこの人。

先日も言ったがナツは武術に優れているため、人の気配には敏感だ。
寝ていたからとは言え、ここまで他人の接近に気づかないのは珍しかった。

なんだこいつ。実は暗殺者か?
ついにこの病院は忍びまでも味方につけたのか。


「いつから居たんですか。全く気付かなかった」
「お前寝てても気配とか感じるの?お前こそ何者だよ」


けらけらと笑うペンギンを、訝しげな顔で見つめるナツ。

おおらかと言うかガサツと言うか、
ペンギンは気配とか消すのは下手そうに見える。

本当に、なんで気付かなかったんだ……?

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