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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第1章 出会い


4月からその病院で働き始めたナツは、毎日忙しく動き回っていた。

流石都内でも有数の繁盛病院。訪れる患者の数が半端じゃない。
目が回る程忙しい毎日。

ナツは暇をもて余して長く感じる一日より、あっという間に過ぎる忙しい一日の方が好きだった。
その件に関しては、寧ろこの忙しさを楽しんでいた。

入った当初こそ、覚えることの多さに苦労したものの
ひと月程で仕事にも慣れ、そこにやりがいを見つけ始めていた。


しかしそれと同時に
この病院の、出来ることなら知らずに定年を迎えたかったような事実も
少しずつ耳に入り始めていた。


「ちょっと聞いてよ。B棟の例の看護師、ついに院長先生とヤったらしいわよ」

「抜け駆けとかいい度胸じゃない。まぁどうせすぐ捨てられるでしょ」

「所詮いつもの院長先生のお戯れよ。まぁそいつは消すからいいとして、問題は先週転院してきた特別室の令嬢よ」


昼休みの休憩室や更衣室、毎日のように聞こえてくる
院長、……トラファルガー先生の噂。

何でも超イケメンらしく、そこらの俳優なんて余裕で顔負けのモテっぷりだ。

院長の話をする看護師達は皆、彼に虜だった。

この病院に在籍する看護師は100人以上。
なんと言うことでしょう。
男女平等参画社会のこのご時世、看護師は男子禁制、全員が女性だった。
そんな中に超ハイスペックイケメンを放りこめば、どうなるかなんて言わずとも分かるだろう。

そしてそれは、看護師だけには留まらなかった。
院長の持つ医療技術ではなく
本体目当てで高い金を積んでは健康体で入院してくる金持ちの令嬢達。

端から見たらドン引きも良い所だが、院長にとっては選り取り見取りの選びたい放題である。

そうなると必然的に
女性キャストが毎日変わる、一生飽きる事のない修羅場劇が院内では頻発する。




働き初めて1ヶ月。私はまだ、トラファルガー先生の顔すら見たことがない。

こんなに人気なら、それはそれは超絶イケメンなんだろう。

でも、顔なんて見れなくて良いから
厄介ごとに巻き込まれる前に、この病院から逃げ出したい。


私みたいなただの受付が、院長の顔を拝める機会なんてないのかもしれない。

でも、この病院は色々と危険な香りがする。
何とか穏便に退職できないだろうかとナツは頭を悩ませていた。


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